2023年12月4日17:45
アメリカン・エキスプレスはこのほど、世界9の国と地域で実施した企業間決済調査の結果を公開し、日本の企業における支払いの自動化について現状を明らかにした。「Trendex B2B Edition(企業間決済に関する調査)」によると、日本の企業は、半分の50%が「サプライヤーへの支払いに一定程度の自動化を導入している」と回答した。しかし、完全に自動化していると回答した企業は 8%にとどまった。
支払プロセスの自動化により実現されるメリット(アメリカン・エキスプレス)
支払いプロセスに自動化を導入している企業のうち、44%は「人的ミスが減少し」、38%が「ビジネス経費の削減につながった」と回答している。また、38%の回答者においては、「経理部門の業務短縮が実現した」と回答しており、平均で週8.9時間の業務削減につながったとしている。これは、年間107万8,000円分の業務時間に相当すると推計される。また、業務短縮を実現している割合(38%)、短縮時間(9 時間)ともに、グローバルの平均値(エリア別、米国:約10時間;イギリス・中東:約 11 時間、メキシコ・インド:約 9 時間)と同等の水準となった。
キャッシュレス決済の利用は、日本を含むグローバル市場で拡大している。特に韓国(95.3%)、中国(83.8%)では、キャッシュレス利用が大きく進んでいることが明らかとなっている。日本においては、2022年にキャッシュレス決済比率36.0%、決済額は過去最高となる111兆円を達成しているが、引き続きさらなる拡大が期待されている。現在のキャッシュレス化は、個人消費が中心ではあるものの、同調査は今後の拡大が見込まれる企業間決済のキャッシュレス化や自動化の傾向を明らかにするために実施した。
決済プロセスに関わる自動化を採用していない日本企業にとって、自動化に対する最も大きな障壁は「コストがかかりすぎる(45%)」というものだった。しかし、自動化によって得られるメリットを考慮し、企業の45%は、請求プロセスにかかる「自動化を開始する」、あるいは「自動化のレベルを上げる予定である」と回答している。一方で支払いプロセスに関しても、39%が自動化のレベルを引き上げる意向を示している。
アメリカン・エキスプレスでは、企業間決済のB2B領域においてもキャッシュレス決済による自動化を推進している。出張・接待交際費、国税、広告費、サーバー代などのビジネス決済を法人向けカードに集約することで、支払いを自動支払い、一元管理することができる。また、業種、業態、サイズに特化した専門知識を持つコンサルティングチームが、バックオフィスの効率化を支援しているそうだ。
なお、「Trendex: B2BEdition」は、イギリス、インド、オーストラリア、カナダ、スペイン、日本、メキシコ、米国、中東の 5,000 社を超えるさまざまな規模・業種の企業を対象に実施したグローバル調査となる。
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