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人気の「ソーシャルギフト」市場が急成長、コスメ業界も積極展開(EC NOW)

2024年1月11日8:05

SNSなどでつながる友人や知り合いにネット経由でプレゼントを贈る、「eギフト(ソーシャルギフト)」市場が急成長している。当初はギフトカードが中心だったが、先方の住所を知らなくても贈れるうえ送料無料のサービスが多いことから、スイーツやコスメといった配送タイプ商品の需要も上昇。利用者は女性が中心のため、最近は特にコスメ系のギフトが目立つ。

通販研究所 渡辺友絵

記事のポイント!
①ソーシャルギフトとは?
②「LINEギフト」の若年層の広がりが後押し
③コスメ系の商品など利用用途広がる
④送料無料で10種の決済手段に対応
⑤ファンケルも市場参入
⑥利用増の期待は高い?

⑦大手百貨店も乗り出す
⑧カジュアルギフトとして普及期待

■日常生活の多彩なシーンでの活用促す

ソーシャルギフトとは、LINEやSNSなどでつながる人に専用URLを提供することで、相手の本名や住所、電話番号を知らなくても手軽にギフトを贈れるサービスのこと。受取人はURLに商品の届け先を入力するが、やり取りはアカウント名だけで済むため送り主に住所などを知られることはない。

時代の変化に伴い伝統的な中元・歳暮の需要が減る一方で、ネットを通じて友人などにちょっとした贈り物をするカジュアルギフトが台頭。コロナ禍の影響により、リアルで人に会う場面が減ったことやECで扱う商品が拡大したことが追い風となり、市場は急速に拡大した。

中でも、相手の個人情報が分からなくても贈れる「ソーシャルギフト」の人気が急上昇。LINE経由で気軽に贈れる「LINEギフト」の若年層への広まりも、ソーシャルギフト市場の発展を後押しすることになった。

LINEギフトの累計ユーザー数は2,900万人(2023年3月時点)を突破し、取扱商品数は約20万点と拡大している。矢野経済研究所によれば、ソーシャルギフトを含むeギフト全体の市場規模は25年度に4,057億円まで拡大する見込みだ。

LINEギフトの取扱商品数は約20万点と拡大(出典:LINE)

■LINEギフトでもビューティー系の流通額が急増

当初、ソーシャルギフトはネットで完結する飲食店などのギフトカードが中心だったが、最近はお菓子や紅茶、ミニタオル、入浴剤など高くても2,000円程度の手軽な商品が数多く登場。特に人気が上昇しているのがコスメ系の商品だ。LINEギフトをはじめ、百貨店や専門店、通販企業などが力を入れている。

LINEギフトでは、2022年8月時点でビューティーカテゴリーにおける1年間の流通額が前年比約360%を達成。また、同年10月に人気商品を見つけやすいビューティーページを公開してからは、新たなコスメブランドが増えLINEギフト限定商品も登場するなど、同カテゴリーの利用が増加している。女性が同性の友人にカジュアルな形で贈るケースが目立ち、韓国コスメなどが人気という。

また2023年5月には、コスメ商品を贈られた人が好きな色や香りを選べる機能を新たに加えた。色付きリップやアイシャドウ、香りがあるボディケア用品や香水などを贈る際に、相手の好みがわからないとの悩みに対応。贈られた人は、事前にネット上で自分の好みに合う色や香りに変更したうえで受け取れるようになった。

「LINEギフト」の特徴は、基本的に送料が無料という点。一般的にはリアル商品の場合は配送料がかかるが、ギフトカードと同様に無料で済むことも人気の要因とみられる。決済方法はLINE Pay決済やクレジットカードなど10種類から選べ、LINEポイントも1ポイント=1円で利用できる。

贈られた人が好きな色や香りを選べる新機能を追加(出典:LINE)

■ファンケルも参入しキャンペーンを開催

化粧品通販大手のファンケルも2023年11月から、ソーシャルギフト市場に参入した。会員登録しなくてもURLを通じSNSなどでプレゼントを送れるもので、「ファンケルeギフト」の名称で自社製品を扱う。

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