2024年3月28日10:45
MAXSTOREは、PAX Technologyが提供するAndroidの端末管理システム(TMS)だ。現在、グローバルで同社以外の端末も含め、1,150万台の端末が接続されている。AirViewer(遠隔操作アプリ)などの機能を備える同サービスについて、MAXSTOREのエキスパートであるPAX Technology ビジネス・デベロップメント・マネージャー Conor Devane氏が説明した。
PAX Technology ビジネス・デベロップメント・マネージャー Conor Devane氏
世界1,150万台の端末が接続
世界中の企業のフィードバックを機能に反映
Conor氏は、ジェマルト(現Thales)などのデジタルセキュリティベンダーや大手決済端末ベンダーなどで決済業界で25年間働いてきた。決済業界で技術、営業、マーケティングなどさまざまな役割を担ってきた。また、PAXではフランス市場の開拓にも注力した関わった。
同社ではTMSのMAXSTOREを開発したが、それまでの決済端末ベンダーのソリューションのほとんどはリナックス(Linux)ベースの仕組みに基づいていたという。Conor氏は「PAXがAndroid端末を導入したとき、高速ネットワーク用に設計されたまったく新しいシステム、およびAndroid端末専用に開発することを決定しました」と経緯を述べる。PAXは、決済端末用に特別に設計された新しい「ソフトウェア・アズ・ア・サービス・ソリューション」を導入した最初の企業だという。
現在、MAXSTOREは1,150万台の端末が接続されているが、顧客からの要望に応え機能を追加し続けている。MAXSTOREは端末管理に加え、アプリケーション管理機能やストア機能も備える。また、サンドボックス領域があり、アプリケーションのテストを柔軟に行えるそうだ。Conor氏は「アプリケーション開発者の作業を容易にするため、新しいツールを段階的に導入しています」と説明する。
現在、Androidの決済端末を販売しているベンダーはアジアの企業が中心だというが、PAXの市場シェアの多くは国際ビジネスによるものだ。Conor氏は「アメリカ、北米、南米、ヨーロッパ、中東、アジア、オーストラリア、世界中のお客様から多くのフィードバックをいただいています。すべての異なるお客様の要件をプラットフォームに加えることができます」と話す。
MAXSTOREを開発するチームは、決済端末だけではなく、Webおよびクラウドベースのサービスとしてのソフトウェアのバックグラウンドから来る特別なチームだという。PAXのソリューションでは、決済はもちろん、サービスとしてのソフトウェア、Web、データベース、クラウド、Amazon Web Services(AWS)に精通しているチームである点が強みだ。
MAXSTOREはPAX製はもちろん、他社製品の管理も可能だ。決済端末やタブレット、「Elys(エリス)」などの製品を単一のソリューションで管理できる。今後市場で急速に広がると予測されるSoftPOSソリューションの管理も可能だという。
現在、市場販売されているAndroid端末の3分の2はMAXSTOREにあるという。クラウドベースのソリューションにより、顧客がサービスを開始するまでの時間を短縮でき、柔軟にサービスの追加が可能だ。「さまざまなアクティビティをPAXが介入することなく、自分たちで行えるという簡便さが利点です」(Conor氏)。ユーザーは簡単にセットアップやトレーニングが可能だ。
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すべての端末の状況をリアルタイムに把握
大規模企業以外のアプリにも対応
加盟店には、マーチャントポータルが提供され、直接レポートが閲覧できる。例えば、「グループ機能」を使うと、ファームウェア、ソフトウェア、パラメータのダウンロード、アプリケーションの設定の変更やアンインストール、端末へのメッセージの送信を数万~数十万の端末で同時に並行して実行可能だという。
また、すべての端末の状況をリアルタイムに把握できる。端末のロックや再起動、メッセージの送信などがリモート上で可視化可能だ。さらに、すべてのアプリケーション、バッテリーの使用量などを確認するなど、端末の状態をモニタリングできる。例えば特定の位置から移動した場合、メールなどの通知を送ることが可能だ。さらに、端末アプリケーションのパラメーター管理プラットフォームもあるそうだ。
開発者は独自のマーケットプレイスを作成でき、独自の色やロゴでブランド化することができる。また、再販業者がアプリを再販することも可能だ。
加盟店は開発者が提供するアプリケーションをダウンロードして利用できる。例えば、ロイヤルティプログラム、チケットの発券、ヘルスケアなど、さまざまなアプリケーションを開発し、端末に追加することが可能だ。アプリの開発のコストを下げている点も強みであり、小規模なマーケットのアプリケーションを開発できる。
1万以上のアプリケーション実績
暗号鍵のインジェクションも可能に
すでにMAXSTOREのアプリケーションを開発したソフトウェア会社は3,000ほどあり、システム上には1万200のアプリケーションがあるという。
MAXSTOREはセキュリティも担保されており、データの可視化も可能だ。端末の暗号鍵管理では、端末に鍵番号をインストールする必要がある。「Rhino Remote kye Injectiopn(PKI)」ではMAXSTOREを介して暗号鍵のインジェクションが可能だ。Conor氏は「MAXSTOREを使用すると、ファームウェアのアップデート、暗号鍵、アプリケーション、アプリけ0ションのパラメーターを配信できるため、端末に物理的に触れることなく、加盟店に展開できます」と特徴を述べる。
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The post PAXや他社の決済端末も管理できるTMS「MAXSTORE」の実績と強みとは? first appeared on ペイメントナビ.