2024年4月11日10:22
まちのわは、熊本県天草市に提供している電子地域通貨「天草のさりー」に、2024年3月25日から「マイナンバーカードへの現金チャージ・支払機能」を追加して提供している。全国でも珍しいマイナンバーカード活用の取り組みについて、まちのわに話を聞いた。
池谷貴
天草市内で転々流通する仕組みを目指す
スマホアプリに加え、カードでの支払い可能に
まちのわでは、プレミアム商品券の電子化を支援したり、情報プラットフォーム「まちの縁アプリ」を提供している。これまで90以上の導入実績があり、一回限りの商品券を合わせれば累積で900億円分を発行しているという。
天草市では市内の取扱事業所で使える電子地域通貨「天草のさりー」を展開しており、まちのわが提供する情報プラットフォームを活用している。まちのわによると、「天草市の課題は、特に子育て世代がネット通販で買い物をしたり、市街の大型ショッピングセンターで消費活動をしてしまい、市内で消費されない点だった」という。「天草のさりー」では、市内で価値が転々流通する仕組みを目指しているそうだ。
スマートフォンで利用できる「天草のさりー」では、利用者が店舗のQRコードを読み取り、スマートフォンに金額を入力し、店舗が確認して決済可能だ。また、店舗での利用に加え、健康ポイント事業、住宅リフォーム助成事業、出産・子育て応援交付事業などでも「天草のさりー」が活用されている。
まちのわは、2021年度から「天草のさりー」の残高管理を担っているが、3月25日から現金チャージ機能とマイナンバーカード支払機能を追加し、運用を開始した。これは、スマートフォンアプリの操作に慣れていない人にも便利に「天草のさりー」を利用してもらうためだという。
システム提供概要。天草市ではデジタル田園都市国家構想交付金を活用している(まちのわ)
利用者は、端末にマイナンバーカードを置き、利用者証明用の暗証番号(数字4ケタ)を入力し「確定」を押す。規約確認後、券面事項取得用の暗証番号(数字4ケタ)を入力し「確定」を押すと住所や氏名が端末に表示されるため、間違いがなければ登録して支払いに利用できる。
まちのわでは、「ご登録には、12桁のマイナンバーを取得するわけではなく、初回登録時にマイナンバーで基本4情報と呼ばれるものを国のJPKIサーバーからいただき、情報を登録させていただきます。そのうえで、まちのわのIDを付与し、ID情報だけを取得してサーバーと紐づけています」と説明する。
チャージ時も同端末にマイナンバーカードを置き、利用者証明用の暗証番号(数字4ケタ)を入力し、金額を入金する。
スマートフォンアプリによる「天草のさりー」は860店舗で利用できるが、現状、マイナンバーカードでは150店舗に限られる。導入店舗には、天草市からキャッシュレス決済用のNFC機能搭載Android端末が支給され、決済アプリをダウンロードして支払いを受け入れ可能だ。
ブロックチェーン活用、全国2例目の事例に
マイナンバー活用の仕組みを横展開へ
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The post 天草市の「天草のさりー」がマイナンバーカードでの決済開始 仕組みや狙い、展望は? first appeared on ペイメントナビ.