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富士通フロンテック、決済など大規模システムでも運用可能な手のひら静脈認証の世界での普及拡大目指す

2024年6月19日8:30

富士通フロンテックでは、生体認証の中でも高い認証精度を誇る「手のひら静脈」による認証を提案している。同社の「Fujitsu 生体認証 PalmSecure 手のひら静脈認証センサー」(以下、「手のひら静脈認証センサーPalmSecure」)は、世界中に1億人ユーザーを抱えており、北米、南米、欧州、日本などで展開しており、金融分野での活用もされている。決済分野では、富士通フロンテックノースアメリカ、Fulcrum Biometrics(フルクラム バイオメトリクス)、Ingenicoが生体認証決済での協業を発表。Ingenicoでは、PalmSecure SDKを購入し、登録と決済機能を開発している。富士通フロンテックでは、Ingenicoと連携し、日本市場での普及拡大も進めているそうだ(参考記事)。今回は富士通フロンテックに、同社の生体認証技術の強みやこれまでの成果、決済分野での新たな展開について説明してもらった。

池谷貴

 

2024年4月開催の欧州の小売り向け展示会「Retail Technology Show2024」 のIngenicoのブースでは、富士通フロンテックの「手のひら静脈認証センサーPalmSecure」を搭載した決済端末なども展示

世界約60か国で1億人以上の利用実績
1,000万手の大規模認証を実現

――貴社の生体認証のこれまでの実績や公表数値について聞きたい。
富士通フロンテック:弊社の「手のひら静脈認証センサーPalmSecure」はこれまでの総販売台数が100万台を超えています。手のひらの静脈パターンを利用する手のひら静脈認証は、非接触で衛生的、体内情報のため盗難や紛失が起こらない、偽造の恐れが極めて低く高度なセキュリティを確保できることから、これまで世界約60か国で1億人以上の利用実績があります。

静脈認証ベンダーシェアにおいても、PCログオン用途、入退室管理用途それぞれ国内で高いシェアを持つ実績があります。

さらに、従来比50倍の、手のひら静脈認証のみで1,000万手の大規模認証を実現するソフトウェア「Fujitsu 生体認証 PalmSecure 認証ライブラリMillions Edition」(以下、「Millions Edition」)を2023年12月に販売し、市場投入しています。

――生体認証ビジネスを長く展開されてきたが、市場への浸透には時間がかかる部分もある。現在の成果についてはどう捉えているか?
富士通フロンテック:弊社の「手のひら静脈認証センサー PalmSecure」は、長年の取り組みにより市場に浸透してきたと捉えています。

――コンペの際の競合優位性をどう捉えているか?
富士通フロンテック:従来からの実績に加え、従来の50倍となる1,000万手の大規模認証を実現したことです。本人拒否率0.01%(リトライ1回)、かつ他人受入率0.000001%以下の高い認証精度を実現しています。

――認識精度がマスに対応できるほど高まっているのか?
富士通フロンテック:「Millions Edition」では従来の50倍となる1,000万手の大規模認証を実現しながらも、手のひら静脈認証最大の特徴である高い認証精度を継続しています。

富士通フロンテックは、手のひら静脈認証のみで最大1,000万手の本人認証を実現するソフトウェア「Fujitsu 生体認証 PalmSecure 認証ライブラリMillions Edition」を開発し、2023年12月28日より販売開始すると発表した。同社では今後3年間で50億円(関連ハードウェア、サポート含む)の売上を目指す。決済分野、アミューズメント分野、交通分野などで利用可能だ(富士通フロンテック)

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