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パラオのブロックチェーン貯蓄国債システム実証事業、パプア・ニューギニアのCBDC実証実験開始(ソラミツ)

2024年7月24日18:55

ソラミツは、経済産業省が実施する「令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)に関わる間接補助事業」に採択されたと発表した。

カンボジア、ラオス、ソロモン、フィジーなどに続き、アジア大洋州国のパラオでは、貯蓄国債(Savings bonds)の発行・管理・運営システムを開発し実証事業を開始する。また、パプアニューギニアでは、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の実証実験を行い、加えて、ブロックチェーン技術を利用した大洋州島嶼国地域の共通プラットフォームの構築を目指す。

パラオ国、ブロックチェーン貯蓄国債発行管理システム(ソラミツ)

カンボジアではすでにブロックチェーン技術を利用した決済システムの導入行い、ラオスにおいては独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を受けてCBDCの導入に関する基礎調査及び実証実験を行った。昨年度は、ベトナム、インドネシア、フィジー、ソロモン諸島のCBDCの導入による金融システムの高度化・クロスボーダー決済の改善に向けた調査を行った。加えて、ソロモン諸島ではCBDCの実証実験を行い、好評を得たという。

今回はソラミツが開発したブロックチェーン技術(Hyperledger Iroha)を活用して、パラオでは同国政府の財務省の要請に基づき貯蓄国債システムおよびそのアプリケーションの開発し実証事業を開始する。パラオは現地通貨としてUSドルが流通しており、米国の銀行(ハワイ銀行やグアム銀行)が預金として住民の資金を吸収している。その資金はパラオの経済成長やインフラ整備などに利用されず、米国本土で運用されている状況だという。その状況を改善すべく、パラオ財務省は貯蓄国債を発行し、パラオ住民の資金を吸収し、国家財政の調達方法の多様化を図り、同国の経済成長や橋、道路、公共施設等のインフラ投資に活用したいと計画しており、そのためのプロジェクト支援を行う。

 ブロックチェーンを活用して貯蓄国債発行管理システムを構築するメリットは、①偽造、改ざん、なりすましなどを防止し、セキュリティが高くなる、②将来、ブロックチェーンを活用したCBDC等を導入した場合、スマートコントラクト等の技術を活用して貯蓄国債の購入・売却時の資金精算がスムーズになる、③貯蓄国債発行管理システムの構築コストや運営コスト、手数料等が低減できる、だという。

パプアニューギニアでは、中銀の依頼に基づきCBDCの実証実験を行う。パプアニューギニアでは金融包摂が大きな課題の1つであり、かつ治安が不安定な地域が多く、暴力や脅迫を用いて強盗や追い剥ぎなどが多発しており、強盗に遭った以後に何か記録が残り回収などの可能性があるデジタル技術を探していたそうだ。そこで、これらの課題を改善すべく、同社のブロックチェーン技術を活用したCBDCの実証実験を行う。

加えて、太平洋島嶼国はそれぞれ人口規模や経済規模が限定的で、国ごとに独自の金融システムを導入する場合には、その導入・開発・運営コストを賄うための負担が大きくのしかかる。そこで、同社のブロックチェーン技術を利用した共通プラットフォームの構築を目指し、今後、CBDCや貯蓄国債などがより安価でかつ効率的に導入にできるような仕組みの開発を目指す。

この記事の著者

ペイメントナビ編集部

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