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JCBのデジタルクーポン活用事例は?インバウンドと大手の活用増加で2025年はさらに市場拡大へ

2024年12月25日8:30

エムディーピー(MDP)は、2024年12月20日に記者説明会を開催し、デジタルクーポン業界の最新動向や同社の新サービス、ジェーシービー(JCB)の活用事例などについて紹介した。

エムディーピー 代表取締役兼 COO 河野 結城氏

デジタルクーポン市場が拡大
スマホ活用のデジタル化が追い風に

MDPは販売促進の企画提案からシステム開発、クリエイティブ制作、事務局対応までをワンストップで提供している企業だ。同社では、デジタルクーポン配布・管理システム「プチギフト」を提供している。また、オートクーポンやコード決済・消込型コードのデジタルクーポ自動生成システムを利用した小規模加盟店支援、地域通貨・決済アプリやプレミアム商品券を活用した地域施策支援なども展開する。同社では大手の企業を中心にサービスを提供しており、非常に高いリピート率を誇るのが特徴だという。組み込み型やASPの導入も複数ある。

デジタルクーポンは、BtoCのマーケティングツールとして多様な業界で利用が拡大している。デジタルクーポンの市場規模として、2023年の法人ギフト市場は2兆4,900億円となっている。コロナ禍で2020年は落ち込んだが、その後は伸びている。同社はBtoBtoCに限った展開をしているが、デジタル化が追い風になっているという。

同社が該当するデジタルクーポンは販促市場、広告市場があるが、約1兆円の市場規模があり、さらなる伸びしろがある。

同社は2009年から同事業を展開しているが、「市場規模の割に競合は多くない」と代表取締役兼 COO 河野 結城氏は述べる。主要コンビニのカバーは同社やSBギフトが早かったが、2010年にギフティがコンシューマー向けで参入しており、法人ギフトも強化している。また、ギフティが基盤を提供するマフィンやdgift、TOPPANデジタルからシステム提供を受けているGifletなどがあるそうだ。コアな企業は数社に絞られ、そのほか独自で流通に携わるクオカードなどがある。また、地域系クーポン、カタログギフト、ECギフトなどのプレイヤーも存在する。河野氏は「大きな市場性が見込まれる中で、お互い高めあっています」と話す。

JCBのクローズドキャンペーンの成果
決済額UPやリードタイム短縮、業務工数で成果

当日は、ジェーシービー 販売促進部 次長 藤林 健太氏がJCBでのデジタルクーポンの活用事例を紹介している。藤林氏は自らを「ダイレクトマーケティングとCRMオタク」とだと言う。10年前にJCBに入社してから一貫して同分野に取り組んできた。

ジェーシービー 販売促進部 次長 藤林 健太氏

クレジットカードのマストバイキャンペーンでは、「スピード」「パーソナライゼーション」「柔軟性」という3つの課題があるという。その解決に向けて、スピードに関しては、利用者が認知してから早く利得を体感することが重要だ。パーソナライゼーションでは、利用者ごとのオファーを実現するとともに、希望する商品を選択できるようにしたい。柔軟性に関してはリードタイムや設計に時間がかかるところを、1本のメールを送る業務量でキャンペーンを実現可能にすることだ。

JCBが開発した新しいキャンペーンの仕組みでは、マーケティングオートメーション(MA)の中に、顧客単位のマスターを作り、すべてのキャンペーン条件を設定できるようにした。通常は期間・業務系のアプリケーションを使用するところ、マーケティング側で実現させるが、MDPの協力を得て、クーポン生成のシステムを埋め込み、クーポンを用意した。MAにキャンペーン自動化システムを構築したため、Webサイト、メール、アプリをパーソナライズすることも1つのマスターから実現できる。「すべてマーケティング部門で完結しました」(藤林氏)。異業界からの人材でも3カ月、半年で独自のキャンペーンを動かすことが可能だ。

従来のキャンペーンとの違いとして、“一律固定”から“お客様ごと”のキャンペーンを展開できるようになった。対象者をピンポイントに絞ったり、会員が気付いた段階からキャンペーンをスタートできるようにしている。また、ここに合わせた達成条件を実現可能だ。

実際のキャンペーンではシームレスな導線で、会員のキャンペーン体験を創出できたそうだ。具体的に、実施期間1カ月間の一人当たりの月間決済額は1.2万円アップ、リードタイムを2カ月短縮(通常は2カ月~4カ月要していた)、業務工数1.5人月削減といった効果が生まれた。

JCBがクーポンを選ぶ場合、1つ、2つに絞られるが、多くのギフトから自由に選べる体験が可能となったという。また、企画の立ち上げから商品の提供までMDPに伴奏してもらい、問い合わせ対応もスムーズだったという。

今後の展開として、コード決済事業者は早く利得が体感できるサービスもあるが、カード会社としてリアルタイムやチャネルを強化していく。お金に換算しにくい景品などを含め、ユニークな体験を増やしていく。生成AIを活用しながら利用者に沿った条件などを書き換えることができればさらにサービスが進化するとした。

また、現状はJCBの決済がクーポンの対象となるが、取得したクーポンは他の決済でも利用できる。そのため、コード決済事業者などのように受け取ったクーポンを活用して自社の決済につなげるなどの循環を強化していく必要があるとした。

金融機関やミニアプリ事例も、2025年の市場展望
退蔵益への見解や業界での立ち位置は?

MDPの提供するプチギフトは、コンビニ商品、外食メニュー、電子マネーなどを手軽にキャンペーンに活用できるサービスだ。特徴として、デジタルクーポンの手配、システム開発、デザイン作成、キャンペーン事務局の運営までワンストップで提供している。また、複数のバリエーションから好きな景品を好きなだけ在庫リスクなく選定して実施が可能だ。さらに、SNSやアプリとの連携、アンケートデータなどと組み合わせたツールとの連動など、システム結合の実績もある。河野氏は「クーポンを提供するだけではなく、弊社のモジュールを組み合わせるとすぐにキャンペーンなどの施策が展開できるのが大きな特徴です」と話す。

ミニストップは2009年、ファミリーマートやローソンは2010年から取り扱うなど、コンビニエンスストアは強い業態だ。現在は、それ以外の業種・業種も含めてさまざまなブランドを取り扱っている。

プチギフト公式Xアカウントは2024年12月現在39万のフォロワーがおり、定期的にキャンペーンを実施している。

最近はPayPayがクーポン発行を強化しているため、メーカーの販促がデジタル化してきた。紙のキャンペーンがデジタル化し、「●●%戻ってくる」「レシートをアップロードするとポイントが手にできる」取り組みなどが増えてきた。同社でもプレゼントキャンペーンやサンプリングなどのインフラを担っている。2兆円の市場があるメーカーによる流通向けの営業支援費を活用してデジタル販促を実施しており、広告宣伝費やマーケティング費以外の予算をデジタル化して提供している。

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