2026年8月4日8:40(JST)
【日本】TOPPAN(日本・東京)は、量子コンピュータでも解読が困難とされる耐量子計算機暗号(Post- Quantum Cryptography、以下 PQC)を搭載した、接触・非接触のどちらの通信方式でも利用可能なデュアルインターフェイスICカード「PQC CARD Dual」を世界で初めて開発した(同社調べ)。高いセキュリティ性が要求される国民IDカードや医療向け認証カードなどへの実装に向けて行政・医療分野へ2027年度からの提供を目指す。

「PQC CARD Dual」は、独自の省メモリ技術により、PQCの膨大な暗号演算処理で使用するメモリ容量を最適化した。これにより、従来の暗号方式よりも大きなデータサイズを必要とするPQCにおいて、メモリ容量が限定されているデュアルインターフェイスICチップ上での実装を可能にした。また、搭載しているアルゴリズムは、米国政府機関の国立標準技術研究所(NIST)により選定され長期的な安全性が確保された暗号技術に準拠している。さらに、PQCと現行暗号の双方をサポートすることで、現行暗号からPQCへのスムーズな移行にも対応するそうだ。
具体的に、PQCを接触・非接触のどちらの通信方式にも対応するデュアルインターフェイスICカードに実装した。NISTにて標準化されたPQCアルゴリズム(ML-KEM、ML-DSA)と、従来の暗号技術(RSA、ECCなど)を搭載しており、1枚のカードで両方の暗号方式に対応が可能だ。そのため、現行暗号からPQCへの移行期においても、既存のインフラ環境を活かしながら、スムーズにPQC環境への移行を実現する。なお、接触・非接触単体でのPQC対応も可能だという。
また、PQCの実装には膨大な作業用メモリが必要であり、またICカードのプラットフォームとして主流となっている汎用OSは占有するメモリ容量が大きい、という課題があった。TOPPANは、長年ICカードの開発で培ってきた省メモリ技術により、限られたメモリ領域を圧迫することなく、PQCが要求する膨大な演算処理をスムーズに実行させることに成功した。
さらに、世界標準のICカードプラットフォームであり、既存のICカードに多く導入されている汎用OS「Java Card」上でPQC機能を実現した。そのため既存のICカードに実装されている決済や社員証、アクセス管理などのアプリケーションはそのままに、暗号機能だけをPQCへアップデートするなどの運用も可能だ。
TOPPANは、「PQC CARD(R) Dual」と関連システムに関して、2026年度中に高いセキュリティ性が要求される行政・医療分野などを対象とした実証実験の実施を目指す。有用性の検証を経て、米国や欧州などの各国がターゲットとする2030年代の本格的なPQC移行ロードマップを見据え、 2027年度からの「PQC CARD(R) Dual」の提供開始を目指す。(paymentnavi 編集チーム)
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