2024年5月15日9:45
ナッジは、クレジットカードなどのプロセッシングサービス等を提供するTISと2024年4月11日に資本業務提携契約を締結し、デジタルネイティブ世代の利用をターゲットとしたPAYCIERGE(ペイシェルジュ)の「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」(以下、ライト版)の提供を同日より開始した。同取り組みの背景や今後の展開について、ナッジに説明してもらった。
池谷貴
「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」の位置づけ(ナッジ)
次世代カードのノウハウを外部企業に提供
TISからカード発行企業にライト版
ナッジは、スマホネイティブな次世代クレジットカード「Nudge(ナッジ)」を開発・運営するFinTech企業だ。Nudgeは1枚から入会金・年会費が基本無料のVisaクレジットカード作ることができる。申し込みはアプリに限定しており、カードの利用状況はリアルタイムにアプリに反映される。最大10万円の利用枠の範囲でクレジットカードの利用が可能だ。利用者の7割がZ世代(1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれた世代)となり、10代が3分の1を占めるのも特徴だ。
TISは、クレジットカード事業を展開する多くの金融機関や企業へ基幹システムやプロセッシングサービスを提供してきた。今回の資本業務提携契約締結により、ナッジはTISをOEM標準パートナーに採択。TISは、ナッジより提供されたシステム基盤にTIS独自の機能拡張を加え、クレジットカード会社やクレジットカードの発行を検討する企業向けにライト版を展開する。
ライト版は「使いやすさ」に特化
最短6カ月での導入が可能
――これまでナッジの展開でTISの「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」が担っていた役割や連携による具体的な成果について聞きたい。
ナッジ:次世代クレジットカード「Nudge」の提供開始以来、バックエンド部分(VISAネットワークとの接続等)を「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」のブランドプリペイドプロセッシングサービスを活用して運営しています。
これにより、万が一AWSが障害を発生した場合等においても、安定的に決済が行えるサービス可用性と、高いセキュリティ基準、ブランドルールへの迅速な対応が可能になるとともに、ナッジの開発リソースをフロント部分に集中することができることで、スマホアプリ完結の高いUXを実現し、Z世代を中心とした若年層のクレジットカード利用を促進しています。
――今回の資金調達によりTISの資本比率は何パーセントになったのか。また、ライト版提供の構想はいつから描いていたのか。
ナッジ:TISの持ち株比率は約10%になります。ライト版に関してはサービス開始当初より、金融機関からの引き合いはありましたが、本資本業務提携に関する本格的な議論開始は約半年前です。
TISとナッジの資本業務提携によるビジネスモデル(ナッジ)
――「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」と従来の仕組みとの違いについて聞きたい。
ナッジ:ライト版は、クレジットカード事業において必要なカードコアシステム、業務システム、モバイルアプリ、データ分析等を最小構成モデルで提供するサービスです。
フル機能版との違いは、フル機能版が、クレジットカード会社のさまざまなビジネスニーズにあわせて自由度の高い機能を提供するのに対し、ライト版は、デジタルネイティブ世代ユーザーの日常利用を想定した「使いやすさ」に特化している点が特徴です。フル版と比較して導入コスト・期間も削減でき、最短6カ月での導入が可能なため、従来よりもよりライトにクレジットカードの発行を検討いただけるようになりました。
Nudgeプラットフォームは、マイクロサービスで構築されているため、サービスの追加や変更が機動的に行うことが可能です。
BINスポンサーをカスタマイズ可能
ライト版のニーズ、今後の成長は?
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