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三井住友カードのタッチ決済乗車はVポイント・法人カード・モバイル活用で進化、VisaがMaaSソリューションによる移動体験を創出へ

2024年9月12日8:00

三井住友カードが2024年8月27日に開催した「stera transitシンポジウム2024」。前回は三井住友カード 代表取締役社長 大西 幸彦氏による公共交通機関向けソリューション「stera transit」の4つの展望を紹介したが、今回は三井住友カード アクアリングTransit事業推進部長 石塚 雅敏氏によるプラットフォームの進化や新機能の説明について紹介する。また、ビザ・ワールドワイド・ジャパンでは、世界のタッチ決済の普及や各都市のプロジェクトの状況を踏まえ、6,000の鉄道・バスの公共交通事業者が存在し、FeliCaを活用したサービスが先行する日本において、新たな移動体験の創出について説明した。

池谷貴

三井住友カード アクアリングTransit事業推進部長 石塚 雅敏氏ビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役社長 シータン・キトニー氏ビザ・ワールドワイド・ジャパン Head of Urban Mobility & Contactless Solutions 藤森貴之氏

クラウド活用な柔軟なシステム展開を目指す
移動×購買データ活用で進化

stera transitは、さまざまなパートナー企業とのアライアンスにより共通のプラットフォーム構築をしている。2020年にVisaブランドのみで開始したが、現在はさまざまな国際ブランドに対応し、同じ読み取り機で世界中のカードやスマートフォンが利用できる。

また交通システムでは国内の主要改札機メーカー、バス機器メーカーなどと接続し、地域内の複数の鉄道やバス、自社および他社との連携をして、共通のクラウド基盤を活用してもらっている。1時間当たりの処理能力も年々向上している。

これにより、地域内の乗車サービスについても共通化が図られている。また、一部の鉄道会社とのチケット基盤の連携や行政サービスとの連携も開始しており、引き続き、より安定したシステムプラットフォームを構築していきたいとした。

stera transitはプラットフォーム共通の基礎的な割引メニューと、属性や時間、識別情報などを掛け合わせることによる柔軟な割引サービスが実現可能だ。割引メニューはメニューが順次開発されており、地域の実態に合ったサービス展開が可能になる。

stera transitのダッシュボードは、移動、属性、購買行動の3つの要素を分析できる。特に属性と購買行動の可視化によって、いつ、どの人が、どこからどこへ移動し、鉄道やバスを降りた後にどこで何をしたか、これを統計化された情報を事業者手元で確認できる。

データ分析を継続することで、季節ごとの違いや各種イベント、社会情勢がどのように街に影響を与えているかなど、さまざまな視点でデータに基づくサービスの検討、街づくりに生かしてもらえる。

例えば、ダッシュボードの外国人の分析画面では、下図のように乗降駅情報、国籍情報、時系列、時間帯別の利用データを一画面で表現している。

画面の左側の地図情報の右側に地域別のシェア、その右側に国籍別のシェアが時系列あるいは時間帯別の情報履歴と掛け合わせて成り立っている。例えば、国籍ごとのシェアが見たい場合、国籍画面をタッチすると、その国籍カードの乗降データに展開ができる。消費データについてもさまざまな属性情報と、決済の割合を記載している。属性情報は、性別や家族構成、年収の割合などを記載をしており、ドラッグすることで、データ分析が可能だ。

3つのカードソリューションと連携
「stera transit情報連絡会」を発足

石塚氏は今後のstera transitの進化として3つのカードソリューションとの連携を挙げた。

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