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(2)バーチャルカードのテクノロジー

2025年1月9日8:00

欧米のバーチャルカードの第2回目は、バーチャルカードのテクノロジーについて紹介してみたい。

和田文明

(1)バーチャルカード(仮想カード)とは
(2)バーチャルカードのテクノロジー
(3)バーチャルカードとAI(人工知能)
(4)オールインワン型バーチャルカード
(5)企業、事業者向けのバーチャルカード

多くの高度なテクノロジーが用いられる

欧米のバーチャルカードを支える主要なテクノロジーには、(表)のように「クラウドコンピューティング」、「API(Application Programming Interface)」、「ブロックチェーンテクノロジー」、「AI (人工知能)」など多くの高度なテクノロジーが用いられている。(表)は、欧米のバーチャルカードを支える主なテクノロジーをリスティングしたものである。

(表)欧米のバーチャルカードを支える主なテクノロジー

クラウドコンピューティング

・スケーラビリティ
需要の変動に合わせて柔軟にシステムを拡張・縮小できるため、急激な利用者の増加にも対応できる

・高可用性
複数のデータセンターにデータを分散することで、システムのダウンタイムを最小限に抑えることができる

・コスト効率
利用した分だけ料金を支払う従量制のため、初期投資を抑えることができる

API

Application Programming Interface

・システム間の連携
異なるシステム間でデータをやり取りし、連携が可能になる

・サービスの拡張性
新しい機能やサービスを迅速に開発し、導入することができる

・オープンバンキングの推進
銀行口座の情報を他のサービスと連携することで、より幅広い金融サービスを提供することが可能となる

ブロックチェーンテクノロジー

・セキュリティ強化
分散型台帳テクノロジーにより、改ざんが困難なセキュアなシステムを構築することができる

・透明性
取引履歴がブロックチェーン上に記録されるため、透明性が高く、信頼性の高いシステムを実現することができる

・スマートコントラクト
プログラム可能な契約により、自動化された決済や取引ができるようになる

AI (人工知能)

・不正検知
AI (人工知能)の機械学習機能を用いて、不正な取引をリアルタイムで検知し、被害を最小限に抑得ることができる

・カスタマーサポート
チャットボットによる自動応答や、パーソナライズされたサービスの提供が可能である

・リスク評価
顧客の信用度を評価し、適切な与信管理のもとに、金融サービスを提供することができる

AI(人工知能)アシスタント
AI(人工知能)を搭載したチャットボットが、ユーザーからの質問にリアルタイムで回答したり、手続きを代行したりすることができる

生体認証テクノロジー

・セキュリティ強化
指紋認証、顔認証、声紋認証など、よりセキュアな認証方法を採用することができる

・利便性向上
指紋認証、顔認証、声紋認証などにより、パスワード入力の手間を省き、CX(顧客体験)を向上させることができる

データ分析

・顧客行動分析
ユーザーの取引履歴や行動パターンを分析し、パーソナライズされたサービスを提供できる

・リスク管理
過去のデータに基づいて、将来のリスクを予測し、適切な対策を講じることができる

セキュリティテクノロジー

・暗号化
データを暗号化することで、外部からの不正アクセスを防ぐことができる

・ファイアウォール
不正なアクセスを遮断することができる

・侵入検知システム
システムへの侵入を検知し、アラートを発することができる

出典:Virtual Cards: How companies can unlock the Euro 5 trillion bionic B2B opportunity、他  

欧米のバーチャルカードは、これらのテクノロジーを複合的に活用することで、高いセキュリティ、利便性、そして革新的なサービスを提供することができる。特に、AI(人工知能)のテクノロジーは、今後のバーチャルカードの進化において重要な役割を担うテクノロジーと考えられている。さらなるAI(人工知能)の発展により、より精度の高い不正検知や、パーソナライズされたサービスが実現されると期待することができる。今後、AI(人工知能)テクノロジーとオープンバンキングの推進により、さまざまな金融サービスと連携し、より便利で総合的な金融サービスが提供されるようになる。こうした中で、バーチャルカードが果たす役割への期待は大きい。

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