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アメリカン・エキスプレス、プレミアムカード市場で存在感を高める大型リニューアル

2026年7月2日8:00

アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは、2026年7月1日、同社のフラッグシップモデルである「プラチナ・カード」の大規模なリニューアルを発表した。年会費は16万5000円(税込)に据え置いたまま、会員からのニーズが特に高い「トラベル」「ダイニング」「エンターテインメント」の3分野を中心に、大幅な特典の拡充を図る。プレミアムカード市場では、年会費2~3万円台のプラチナカードが各社から登場し、競争が一段と激しくなっている。そうした中、同社は単なる決済機能の提供にとどまらず、自社の強みであるT&E(トラベル&エンターテインメント)における独自の体験価値を提示することで、他社との差別化を図るとともに、メインカードとしての定着を狙う。(クレジットカードDB 大澤日出男)

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 日本代表/社長の須藤 靖洋氏

「プラチナ・カード」の原点とメンバーシップ哲学

記者発表会に登壇したアメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 日本代表/社長の須藤 靖洋(すどう やすひろ)氏は、プラチナ・カードの歴史とブランドの独自性について言及した。日本で初めてプラチナ・カードが発行されたのは1993年10月のことである。バブル経済崩壊後の冷え込んだ時代背景にあっても、プレミアムなサービスに対する潜在的なニーズは確実に存在しており、当初は完全招待制でローンチされた。須藤氏は「プラチナ・カードという名称自体、実はアメリカン・エキスプレスの登録商標である。我々は日本のプレミアムカードのパイオニアとして、市場を開拓し歴史を作ってきた」と語り、市場を牽引してきた自負をのぞかせた。

同社が長年追求しているのは「メンバーシップ・モデル」という概念である。全世界で共通のデザインを採用するプラチナ・カードは、世界中どこへ行っても上質なサービスを受けられる一種のパスポートとして機能する。須藤氏は「アメリカン・エキスプレスの会員になり、会員であり続けることそのものに価値を感じていただけるよう、旅行の出発前から滞在先、ダイニングなどあらゆるシーンでアメックスだからこそのプレミアムな体験価値を提供することを日々大切にしている」と強調した。カード券面に会員になった年を示す「MEMBER SINCE」が刻印されているのも、その哲学の表れである。

会員ニーズを反映した今回のリニューアル

今回のリニューアルの背景には、コロナ禍を経てより一層顕在化した富裕層の体験に対する強い意欲がある。3年前の前回リニューアル以降の利用状況を分析した結果、会員のトラベルやダイニングに対するニーズが依然として突出していることが判明した。そのため、既存特典を生かしつつ、新たな価値を付加することで、サービスの充実を図っている。

トラベル特典を大幅強化

トラベル分野における目玉は、新たに導入された「エアライン・クレジット」だ。カード会員専用の旅行予約サイトを経由して海外航空券を購入する際、年間10万円分が充当される。また、国内50カ所以上の対象プレミアムホテルに無料で宿泊できる人気の特典「プレミアム フリー・ステイ・ギフト」は、年間のカード利用金額に応じて最大2泊まで獲得可能となり、1泊5万円以上相当の上質なホテルも対象に加わった。

さらに、カードを保有するだけで高級ホテルの上級会員資格が無条件で得られる「ホテル・メンバーシップ」も強化される。既存のヒルトン、マリオット・ボンヴォイ、プリンスホテルに加え、今年8月からはオークラ ニッコー ホテルズのOne Harmonyエクスクルーシブ会員、今秋からはアコーのAll Plusゴールドステータスが追加される。通常であれば年間数十泊の実績が必要なステータスを即座に享受できることは、旅行頻度の高い会員にとって大きなメリットとなる。

世界1,800カ所以上のラグジュアリーホテルで、16時までのレイトチェックアウトや朝食無料などの特典が利用できる「ファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)」も引き続き利用可能だ。さらに、昨年、羽田空港第3ターミナルの保安検査後エリアに国内初開設された「センチュリオン・ラウンジ」と組み合わせることで、出発前から滞在後までシームレスな旅行体験を提供する。

ダイニング・エンターテインメントも拡充
「アメックス・エクスペリエンス・アプリ」提供

ダイニング分野においては、国内外2,000箇所以上の対象レストランで利用できる「グローバル・ダイニング・キャッシュバック」の還元率が、従来の20%から50%へと大幅に引き上げられ、年間最大4万円までのキャッシュバックが受けられるようになった。エンターテインメント分野でも、F1日本グランプリやUSJの貸切イベント、京都・清水寺の夜間特別拝観といった会員限定の特別なアクセスを拡充する。今年4月にリリースした専用アプリ「アメックス・エクスペリエンス・アプリ」を通じ、これらの最新情報をタイムリーに配信していく体制も整えられた。

年会費据え置きの理由
利用付帯への変更に見える戦略的な狙い

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